「光の降る回廊のある平屋の住まい」
建築家/中田 啓予氏
(一級建築士事務所ナカタヒロヨスタジオ)
建築家のコンセプト
フラットであること。シンプルで美しくあること。
行き止まりがないということ。回遊性のある間取り。
屋根の勾配を変えることで上部からの光を取り入れる。
そうすることで美術館のように形而上学的にも美しい住宅となる。
【建築家プロフィール/中田 啓予】
住宅の設計とは、住まい手の立場に立った、心地の良い暮らしのための「うつわ」作りと考えています。構造、機能、環境計画、デザインをバランスよく考えることが大切です。そして自由な発想を持ち、暮らしを楽しくするための工夫を忘れず、楽しい家づくりを心がけています。
- 1978年 富山県生まれ
- 2001年 日本大学生産工学部建築工学科 居住デザインコース 卒業
- 2001年 小林盛設計事務所
- 2005年 ナカタヒロヨスタジオ
- 2012年 ナカタヒロヨスタジオ長野アトリエを開設
想い出の詰まった実家も寒く老朽化も進み住みにくさを感じていたため、将来に向け暖かく快適な住まいを希望され建替えを計画することになりました。そこで建築家は『何歳になっても安心して暮らせる、段差がなく誰もが使いやすい動線のユニバーサルデザインを取り入れた住まい』をプランしました。
また、施主の「美術館のような洗練されたシンプルさ」の要望に応えるべく、道路面には窓を設けず閉じたシンプルなファサードやハイサイドライトが穏やかに注ぎ込む回廊など、美術館風のトーンを落とした空間を設け、反対に、LDKや居室は大窓からしっかりと光が入る明るい空間にしました。家という同一空間の中で「光」をコントロールし目的に合わせた居心地の良さを実現しています。さらに回遊性を持たせたLDKは、家族が自然と集まりつつ各居室への移動がしやすくし、スムーズで居心地よく過ごせる空間となっています。
デザインの快適性のみならず、高気密・高断熱な住宅性能が、家中どこにいても温度差がなく暖かく将来まで長く快適で豊かに暮らせる住まいを実現しています。
【見どころ】
- ● 回遊できる間取りでスムーズに暮らせる平屋
- ● 逆勾配の屋根の組合せが印象的でかつシンプルな外観
- ● スロープや段差をなくなど、ライフスタイルの変化に対応するユニバーサルデザイン
- ● ハイサイドライトの穏やかな空間と大窓からたくさんの光が入る空間のコントラスト
- ● 光熱費を抑えつつ家中が暖かい快適性
【建築データ】
- 【 基本情報 】
- 敷地面積:222.81㎡ (67.31坪)
- 延床面積:76.18㎡ (23.04坪)
- UA値:0.43W/㎡K C値 0.29㎠/㎡